2007.3.14 産経新聞
世界に広がった日本の漫画という土壌から、「ジャパニメーション」という樹木が生まれた。国内外の興行収入が190億円に達した「ポケモン ミュウツーの逆襲」(1999年)、さらに、275億円の「ハウルの動く城」(2005年)などの世界的ヒットが登場。国際映画祭でも取り上げられるようになり、政府はアニメーションを「ゲームとならぶわが国の有力な輸出産業として注目されている」と位置づけ、本格的な振興策に乗り出した。
(中略)
その後、05年ごろまではポケモンシリーズ、ジブリアニメなどのヒット作が出るが、最近の米国でのジャパニメーションブームには一服感が出ている。作品の供給過多などが原因で、米のDVDアニメの市場はピーク時より約100億円も減少し、約400億円規模に縮小した。海賊版の影響もあるのかもしれない。経済産業省の研究会でも「アニメの国際展開は短期的には冷え込んでいる」と認め、“森林化”に向け、次の方策を模索する。
(中略)
日本のアニメーション業界は他のコンテンツに比べて改善すべき課題が多い。
アニメは日本だけではなく、米ハリウッドや中国、韓国なども作品制作に熱心だが、特に最近のハリウッドは、3DCG(立体コンピュータ・グラフィック)アニメの人気が高い。日本のアニメが強いといわれているのは2Dであり、3Dになると実は米スタジオに太刀打ちできない。今後、3DCGの流れが強まったときに対応するために、表現手法の多様化を推進する必要がある。
また、海外展開強化のためには、ローカライズ(現地化)が不可欠であり、企画段階からの提携や、現地人プロデューサーなどとの共同作業の必要もある。
プロダクション・アイジー社長の石川光久氏は、「これからは権利ビジネスではなく、コミッションビジネス、つまり、共同制作だ」と言い切る。同社は平成17年、世界最大のアニメ専門チャンネル、米カートゥーン・ネットワークと共同でオリジナルの新作アニメ「IGPX」の制作を開始。現在、日米双方で放映されている。
石川氏は、「単なる権利の売買ではなく、共同制作による波及効果で、世界最大の米のエンターテインメント・ビジネスの『川上』をめざすことが、日本のアニメ制作会社の生きる道だと思う」と、企画段階から海外進出を視野に入れた展開の必要性を指摘する。
【この記事の詳細は下記】
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0703/14/news049.html
【技術翻訳会社 ジェスコーポレーション 社長 丸山均のコメント】
昨日「世界を席巻するMANGA」ということで、フランスを中心にヨーロッパに広まりつつある日本の漫画をとりあげたばかりですが、今回はアメリカにおける、日本のアニメーション事情のようです。「日本国政府がアニメーションをゲームとならぶ有力な輸出産業と位置づけ、本格的な振興策に乗り出した」反面、もうあきられたのか、アメリカ市場では少しずつ縮小傾向にあるようです。
また2DCG中心の日本のアニメは、アメリカで人気の高い3DCG(立体コンピュータ・グラフィック)に遅れをとっている、という点も気になります。
翻訳会社の経営者としては、やはり「海外展開強化のためには、ローカライズ(現地化)が不可欠であり、企画段階からの提携や、現地人プロデューサーなどとの共同作業の必要もある」という点はもっと気になります。
この記事の後半では、「低賃金・長時間労働が知れ渡ったアニメーターの人材不足や海外の下請け依存といった製作現場の現状は、ジャパニメーションの空洞化を招きかねない」としています。どの業界も同じなんだな、というよりも、翻訳業界よりも過酷な業界なんだな、と感じます。考えてみれば、堅実・地道な翻訳業界に比べて、漫画やアニメの世界は、一発当たったときに入ってくるお金の額が桁違いですから、過酷さの度合いも大きいのかもしれません。
いずれにせよ、日本が輸出する文化は大変少ないわけですから、漫画・アニメという日本の誇る文化をもっともっと輸出できるよう、官民挙げて力を注いでもらいたいものです。
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世界に広がった日本の漫画という土壌から、「ジャパニメーション」という樹木が生まれた。国内外の興行収入が190億円に達した「ポケモン ミュウツーの逆襲」(1999年)、さらに、275億円の「ハウルの動く城」(2005年)などの世界的ヒットが登場。国際映画祭でも取り上げられるようになり、政府はアニメーションを「ゲームとならぶわが国の有力な輸出産業として注目されている」と位置づけ、本格的な振興策に乗り出した。
(中略)
その後、05年ごろまではポケモンシリーズ、ジブリアニメなどのヒット作が出るが、最近の米国でのジャパニメーションブームには一服感が出ている。作品の供給過多などが原因で、米のDVDアニメの市場はピーク時より約100億円も減少し、約400億円規模に縮小した。海賊版の影響もあるのかもしれない。経済産業省の研究会でも「アニメの国際展開は短期的には冷え込んでいる」と認め、“森林化”に向け、次の方策を模索する。
(中略)
日本のアニメーション業界は他のコンテンツに比べて改善すべき課題が多い。
アニメは日本だけではなく、米ハリウッドや中国、韓国なども作品制作に熱心だが、特に最近のハリウッドは、3DCG(立体コンピュータ・グラフィック)アニメの人気が高い。日本のアニメが強いといわれているのは2Dであり、3Dになると実は米スタジオに太刀打ちできない。今後、3DCGの流れが強まったときに対応するために、表現手法の多様化を推進する必要がある。
また、海外展開強化のためには、ローカライズ(現地化)が不可欠であり、企画段階からの提携や、現地人プロデューサーなどとの共同作業の必要もある。
プロダクション・アイジー社長の石川光久氏は、「これからは権利ビジネスではなく、コミッションビジネス、つまり、共同制作だ」と言い切る。同社は平成17年、世界最大のアニメ専門チャンネル、米カートゥーン・ネットワークと共同でオリジナルの新作アニメ「IGPX」の制作を開始。現在、日米双方で放映されている。
石川氏は、「単なる権利の売買ではなく、共同制作による波及効果で、世界最大の米のエンターテインメント・ビジネスの『川上』をめざすことが、日本のアニメ制作会社の生きる道だと思う」と、企画段階から海外進出を視野に入れた展開の必要性を指摘する。
【この記事の詳細は下記】
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0703/14/news049.html
【技術翻訳会社 ジェスコーポレーション 社長 丸山均のコメント】
昨日「世界を席巻するMANGA」ということで、フランスを中心にヨーロッパに広まりつつある日本の漫画をとりあげたばかりですが、今回はアメリカにおける、日本のアニメーション事情のようです。「日本国政府がアニメーションをゲームとならぶ有力な輸出産業と位置づけ、本格的な振興策に乗り出した」反面、もうあきられたのか、アメリカ市場では少しずつ縮小傾向にあるようです。
また2DCG中心の日本のアニメは、アメリカで人気の高い3DCG(立体コンピュータ・グラフィック)に遅れをとっている、という点も気になります。
翻訳会社の経営者としては、やはり「海外展開強化のためには、ローカライズ(現地化)が不可欠であり、企画段階からの提携や、現地人プロデューサーなどとの共同作業の必要もある」という点はもっと気になります。
この記事の後半では、「低賃金・長時間労働が知れ渡ったアニメーターの人材不足や海外の下請け依存といった製作現場の現状は、ジャパニメーションの空洞化を招きかねない」としています。どの業界も同じなんだな、というよりも、翻訳業界よりも過酷な業界なんだな、と感じます。考えてみれば、堅実・地道な翻訳業界に比べて、漫画やアニメの世界は、一発当たったときに入ってくるお金の額が桁違いですから、過酷さの度合いも大きいのかもしれません。
いずれにせよ、日本が輸出する文化は大変少ないわけですから、漫画・アニメという日本の誇る文化をもっともっと輸出できるよう、官民挙げて力を注いでもらいたいものです。
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